建築概要

連合設計社

設計は連合設計社の、吉田秀雄、吉田桂二、峯岸泰夫、小宮山雅夫の4名。彼らは合理主義的な設計を模索した東京大学生産研究所の池辺陽研究室の出身。このうち峯岸泰夫は千葉県立中央図書館(*)の設計者である大高正人と共に5人の会という当時新進気鋭のグループのメンバーでもありました。高度成長期前の昭和のモダニズム潮流のシンボルのような建築のひとつが木更津にも残っていたことを知り驚きました。 室内外から漂う緻密さと暖かさが共存する空間。当時は鑑賞に、そして今は作品づくりに集中する我々の意識を包み込んでくれます。

戦時中の太田山

太田山は戦時中、軍の施設が点在する要塞でした。山頂には砲台が置かれ、麓に残るトンネルは防空壕だったと語られてきましたが、最近になって奥に軍の司令部があったことが分かったそうです。 今は木々に覆い隠されていますが、竣工当時は東京湾を望めるすっきりとした庭に建っていました。当時の人々は、そのモダンな姿に未来を感じていたに違いありません。 そして、屋根の造形にはモダニズムの合理性を超えて、古代日本へのオマージュも感じさせます。 この建物が築70年を越えた今も市民の手によって維持されていることは、奇跡的とも言えます。

受付棟も含め、ほぼ竣工当時のままですが、当時の写真と見比べると、回廊の屋根は図の赤い部分が取り除かれたようです。

(*参考資料)「千葉県立中央図書館」: 大高正人による設計。日本を代表する現存の近代建築として保存団体に登録されている。この建物の竣工は昭和43年。つまり「金鈴塚遺物保存館」はその12年も前に竣工していたことになる。

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建築遺産として
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