この建物は、展示保存館としての重責をとうの昔に山頂の郷土博物館に譲り、今の正式な役目は「倉庫」です。普通なら放置されすぐに傷んでしまったかもしれないこの建物が今も竣工時の姿を奇跡的に残しているのは、市民による日々の手入れや、ものづくりの拠点として実際に今も使われているからでしょう。設計を担当した連合設計社の人々は、まさか70年後に縄文土器をつくる工房になろうとは想像もしなかったでしょう。 いや、もしかしたら、未来に多目的施設として使われている姿も、思い浮かべていたかも知れません。
保存館のドアを開ける度、その黒い鉄の手触りが、この建物にも古代の土器と同様の重みがあることを伝えて来ます。
このサイト(ブログページ)は、筆者がこれまでお会いした方々から直接伺った情報を元に、筆者個人が執筆したものです。 公的な情報の確認等は木更津市までお問い合わせくださいますようお願いいたします。
木更津にはもっと気軽にアートを楽しめる場があっていいと思います。
昨年の、百年後芸術祭は、あっさり既存の箱を想像世界につくりかえてしまいました。
木更津駅周辺のアート巡りだけでも1.4万人を動員しています。
「オン・ザ・コース」や「V (仮設のモニュメント5)」では、たしかに既存の古い狭い建物が異世界との出入口になっていました。
外に出たらいつもの地元の景色。でも、いつもとはちょっと違って見えるのです。
その「ちょっと違って見える」が、未来を見せるし、生活も支えます。
つい「文化=教育」とか「アート=建設」になりがちですが、ほんとうに大事なのは、日々の暮らしの中の十数分。それで十分。 「建築遺産として」で少し提案しましたが、この建物自身がそんなふうに活用してくれることを待っているような気がします。
2024年8月、幸運なことに「木更津マガジン」(Vol.2)の市民ライターとして、このテーマで記事を書かせていただく機会を頂きました。その際、誌面用に制作した3DCG画像の残りをブログに掲載しようと考えたのが最初の動機です。しかしながら、せっかくなら、誌面では字数や諸事情で掲載できなかった情報も紹介できればと進めるうちに、単独のサイトになるほどの量になってしまいました。
これが建築ファンの方々の情報収集の一助になれば幸いです。
2025年3月吉日
今川 洋尚